愛しいものは抱きしめよう

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愛しいものは抱きしめよう **

ありのままの私を愛して幸せになる方法

TOURNESOL

伝えたいのは、あなたらしく生きていくこと

自分の住む、街が好き。

高校二年生の頃、
いつも帰ってる路地を曲がったあたり、


目の前に一面田んぼの景色を見ながら


「どうして自分はこんなところに
いるんだろう」


って思った。


周りで活躍するアイドルや、野球選手や
テレビでお喋りするタレントや

特集される料理屋さんや

雑誌に掲載される服屋さんをみて


「どうしてこの街には
何も無いんだろう」


と、思った。



気づいた時には、この街を出ていく覚悟をしていて。


自分は絶対に、大きくなるんだと。

こんなところで負けてられないんだと。


強く、強く、思った。




私は、小さい頃から負けず嫌いで

お兄ちゃんとの喧嘩でもいつも
男の子もつくらないような傷を作って


上級生や、先輩や、時に先生にも

真正面からぶつかって




曲がったことが何よりきらいで


目の前に壁があるのなら

壊してでも前に進みたい。



そういう、子だった。





だけど、



新しい 〝都会〟 と呼ばれる


この街に出てきて、5年が経って、



あの頃と同じように
目の前に広がる


高いビルや、行き交う車や

3分に1回は通る電車や

たくさんの人混みの中で


わたしは、思う。



「あれ、ここに来たかったんだっけ」








立ち止まって、思う。




「あれ、なんで、出てきたんだっけ」







……少しでも。


………… 例えば、ほんのすこしでも。



私はあの頃より、成長できただろうか。

強く、なれただろうか。


本当の、負けない、ということは

ただ、目の前の壁をやみくもに壊すことでも


負けず嫌いを発揮して、

上に楯突くことでも


きっと、なかったことに。




…… 私は、ちゃんと。

ちゃんと、気付けたのかなぁ。







やりたいことは沢山あったはず。

やれたことも、沢山あったはず。


その、〝あったはず〟の毎日を


幾つもいくつも過ごしてきて



わたしは




「何がしたかったのか」





よく、わからなくなってしまった。





私の街は、


電車なんて3分に1本どころか

1時間に1本来るか、来ないかで。



アイドルも、野球選手も、

テレビで喋るタレントも、

特集される料理屋さんや

雑誌に載る服屋さんも



何一つ、ないんだけれど。




だけど不思議と、


居心地がいいんだなぁ、と


思った。




強く。



何も無いけれど


私のすべてが、ここにある。



怒った日も、泣いた日も、

喧嘩した日も、


大好きな人とお別れした日も、



笑った日も、嬉しかった日も

照れた日も、


あなたを、愛おしいと思った日も。




私にはなかった、すべての価値観が


今は、私の中に、ちゃんとある。






………… 鳥取に、帰るのは

多分そんなに遠くない、未来にあって。




だからそれまでに。



やりたかったこと。

やれたこと。

会いたかった人。

会えた人。



そういう事は、できるだけ、やっておきたい。

会いたい人には、会いたい。



そう、思っています。








〝優しい言葉で、紡ぐ日々〟









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